偶然?必然?運命です!
「ゼェ……ハァ……ゼェ……」




さすがに……苦し……。



犬にこんなに風に追いかけられたのは初めてで。



走りに自信があるとはいえ、よく逃げ切れたな……



犬!!



そういえば犬は!?



キョロキョロと辺りを見渡すと、建物の陰で恨めしげにこっちを見ている犬と目があった。



何ーーあの目。


まるで人間のよう……



ゾッと体が震えた。



それを見届けたからなのかはわからないが、犬が静かに姿を消す。



「オイ」



「……」



「オイッ」



「!!???」




耳元で叫ばれ、我に返る。



そうだ!!


私、助けてもら……




「「…………」」



った



「大丈夫か?」






























ズドーーーーンッ!!





男の人の顔を見た瞬間……


雷に打たれたかのような衝撃。



頭から足の爪先まで、全身が痺れた。
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