偶然?必然?運命です!
何コレ!?



何コレ!?



身体の力が抜ける。


思考が、視界が、男の人一色になる。




「怖かったな、もう大丈夫だ」




男の人がそう言って笑う。




ズキューーンッ!!




死ぬの!?



私、死ぬの!?



心臓がっ


心臓が何かに撃ち抜かれたんだけどっ!?



パクパクと口を開くも声が出ない。



それを男の人は怖くて声が出ないと思ったようで……



「無理に話す必要はねぇよ。とりあえずココから下りねぇとな」


「!!」



本当だ!!



全く知らない人の家のベランダ。


の“外側”で柵に掴まっている私達は、傍から見たら危ない人、もしくは泥棒と思われかねない。



下り下り下りっ


下りないと!!



「落ち着け。俺が先に下りるから、しっかり柵を掴んでろよ」



男の人の言葉に頷き両手で柵を掴むと、男の人は2階だというのに躊躇いもなく飛び下りて軽やかに着地した。



そして



「来い」



私に向かって両手を広げた。
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