叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
「お互いに遠慮するような関係では両親のようになる。会いたいときは会いたいといい、相手に不満があれば口に出す。そして、素直になる。君は最初からそれができる。俺を御曹司と思って遠慮するようなこともない。俺自身を見てくれるだろ?」
「それはそうですけど。私じゃなくてもそういう人はこれからも現れますよ。こうやって女性と話すようになれば玖生さんには私なんかよりもっと素敵な女性が出てきます。今までは全ての女性をよく知りもせず遠ざけてきたでしょ」
玖生さんは私の方をじっと見た。
「……由花」
「はい」
「俺は他の女性にこれからも愛想良くするつもりはない。お前だけでいい……」
「ダメよ。そんなこと言ってたら……女性嫌いを治すのが私の役目だったんですから」
「お前は俺が嫌いか?友達以上にはしたくないか……」
悲しそうな顔を向ける。