叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 「そう。彼がお父様の代わりをしているらしいわね。大変だったのね、きっと。最初そこまで聞いてなかったから、誤解もあったかもしれない。由花も気持ちが変わった?」

 「……そうね」

 おばあちゃんは黙って私を見ていたが、何も言わなかった。私の迷いがどこにあるのかわかっているのだろう。

 ツインスターホテルへメール連絡したところ、一度打ち合わせにおいで下さいと連絡があった。もちろん、飾る場所を見ておかないとできないので、うかがいたいと返事をすると木曜日の夜にと指定された。

 急だったが、とりあえず了承して打ち合わせに向かった。
 仕事帰りだったので、制服があるからいつもなら楽な格好なのだが、今日はスーツで出かけた。

 ホテルのフロントで要件を言うと、お待ちくださいと言われて数分待った。
 すると、後ろから背の高い三つ揃えの紺のスーツを着た背の高い男性が現れた。

 ホテルの従業員ではないが、ホテルのバッジをしている胸元を見た。
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