叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
「……は、初めまして。 織原由花です」
「……ああ。よろしく」
そう言うと、目線を他へ向けてしまう。
失礼とは言わないけど、なるほどね。興味ないってことか。
「由花さん。家元にもお話ししましたが、孫の玖生はいい年になりますのに全く女性に興味がないようで、お見合いをさせても皆断ってしまって……」
「おばあさま。心配は無用です。私には私の考えがあって女性と距離を置いているのです」
「それにしたって、会社でも周りに女性を置かないようにしているわよね。変な噂が立ってるのよ。せめて知り合いの女性くらい作って友人としてお付き合いぐらいはしてちょうだい。そうでないと……いずれ玖生が継承するときには……」
「おばあさま。それも大丈夫です。まだ父上がいますし……」
「由花さんさえよろしければ玖生の友人になってやっていただけませんか?それなら少しは女性とお話しぐらいできるようになるかと思って……」
玖生さんはため息をついている。断れずに連れてこられたのが実情だとすぐにわかった。