叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
「……そう?ぶしつけで失礼を言った。どうか許してください」
目の前で頭を下げられた。私は手を振って否定した。
「いいえ。私も玖生さんの相談相手である中田さんにお目にかかれて嬉しいです。水族館の後に行ったお昼のレストランも美味しかったです。いいところを紹介して頂きありがとうございました」
「ははは。礼なんて言われたら恥ずかしいのはこっちだよ」
「それで、お仕事のレセプションというのはどういった?」
「うちのホテルの創業百年を祝うパーティーなんだ。ホテルの関係者や取引先、友人なども招待して大きなパーティーになる。玖生が君を気に入っているなら是非今回お願いしてみようと思ってね。もちろん、織原流のHPなども事前に見せてもらった。さすがに今までの事を知らないで依頼はできないからね。他のホテルとの契約も以前あったようだし、大丈夫そうなのでお願いしたというわけだ」
つまり、神田ホテルグループの事を言っているんだとわかった。私にとってはステップアップのキャリアになっているが、プライベートでは大きな傷になった。