叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 「そうですね。今回のご依頼のようなお仕事は以前もやったことが何度かありますので、中田さんのご希望をうかがってのちほど会場を見せて頂ければ見積もりを出します」

 中田さんはうなずいている。

 「うん、よろしく頼むよ。申し訳ないがこの後は支配人が君を会場へ連れて行って、こちらの希望を伝えさせてもらう。当日お目にかかれるのを楽しみにしている。良かったら、パーティーのほうにも参加して欲しい」

 「ありがとうございます。お気持ちだけ頂きます。当日は何かあるといけないので控えています」

 「そう?残念だな。そうだ、今回のこと玖生には内緒にしておいてね。当日驚かせてやるんだ。でもお話ししてすぐに安心したよ。君なら大丈夫そうだ。もし玖生と付き合ってもいいと思ったなら彼を支えてやってくれ。いつも重圧や孤独とひとりで向き合っている。酒を飲んで俺たちに発散するだけでは足りないだろう。それくらい清家財閥総帥の座は重い。プライベートをしっかり支える愛する人が彼を変えると思うんだよ」

 私もそれはその通りだと思う。そして、中田さんがとても友達思いの良い人だというのはすぐにわかった。
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