叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

アクシデント

 
 金曜日の夜。
 出張から戻ってきたと玖生さんからメールがあった。

 お疲れ様とねぎらい、週末はゆっくり休んでくださいと言うと、色々予定がありそうもいかないと返事があった。

 おそらくは、今日土曜日のパーティーも予定のひとつだろう。親友の中田さんのホテルのお祝いだ。彼も来るはずと言っていた。遭遇したらどうしよう。中田さんにはくれぐれも言わないようにいわれたので黙っていた。

 ツインスターホテルへ午前八時には入り、準備をして二時間で仕上げる。
 大体の花の配置や色合いなどはパソコンで作って先に渡しているので、その予定通りに作っていく。

 この仕事となると私は集中するので、側にいる人も話しかけてこない。話しかけづらい雰囲気を出しているのかもしれないが、そのくらいの没頭ぶりなんだと思う。

 予定通り終わった。できあがりを下がって確認していた。

 するとパーティーに来た人達がエントランスに集まりはじめた。
 受付の邪魔になるといけないので、控え室へ下がろうとしたときだった。
< 123 / 280 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop