叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 「何を言っているの?あの子はもう過去。私があなたの婚約者なのよ。こんなところで恥をかかせないでちょうだい」

 彼女のいきり立つ声に、周りに集まってきていたパーティ出席者が振り向いた。

 すると、後ろからグイッと引かれて、誰かの背中に庇われた。
 背中を見て驚いた。玖生さんだったのだ。

 「……久しぶりだな、神田君。元気だったか?」

 「え?……清家さん。お久しぶりです。あ、あの彼女とは……」

 「ああ、彼女は今俺のところで働いているんだ。今日は鷹也に頼まれて仕事を受けたようだが……そうだろ?」

 振り向いた玖生さんは私の目を覗くように尋ねた。

 「あ、ええ、そうです。オーナーからご依頼を頂きました」
 
 彼は藤吾に話しかけた。
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