叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
「神田君は婚約されたそうだね。おめでとう。でもその女性がお相手かい?君にしては随分騒々しい人を選んだものだね。学生時代から女性との噂に事欠かない君が何もこんな女性でなくてもいただろうに……」
藤吾はその言葉に顔色を変えた。
私も挑発するような玖生さんの台詞に驚いた。
「な、なんですってえ?!」
彼女が顔を赤くして玖生さんを睨み付けた。
藤吾はそんな彼女の腕をつかんで、ひとにらみすると前に出た。
「清家さん。由花は今あなたのところで働いているというのは本当ですか?」
「そう。君に心配してもらわなくても彼女は守るから安心してくれ。ただ、先ほどの物言いを見ていると、そちらの彼女をまずきちんとしつける必要がありそうだな。由花のためにもそうしてくれ」
藤吾は私をじっと見つめて彼女を引っ張って、下がっていった。