叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 頭を上げて私のことをじっと見ている。

 「……どうした?何かされた?」

 「何もないわ……助けてくれたからもう大丈夫」

 「あれが、頭取の娘?どこの銀行だ?まあ、いい。あとで鷹也に調べさせればすぐにわかる」

 ポーンという音がして、扉が開いた。ここどこ?私の控え室に戻らないと。

 「あ、玖生さんはパーティーへ行ってちょうだい。私は自分の控え室に戻るわ」

 玖生さんが私の腕を引いて廊下を歩き始めた。

 「何言ってるんだ。あんな衆目の的になって今更パーティーなど出なくてもいい。とりあえず、鷹也のために顔を見せただけだからもう十分だ」

 「で、でも」
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