叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 一番奥の部屋へ着くと、カードを当てて部屋のロックを外し、扉を開けた。
 広い。おそらくエグゼクティブフロアのセミスイート。他のホテルで働いていたからなんとなくわかる。

 「入れ」

 有無を言わさぬ目がこちらを見ている。おずおずと中へ入った。

 「すてきな部屋ね」

 「ああ。ここは俺がこのホテルでいつも使う部屋だ。ここに来るときは必ずここを鷹也が押さえてくれるんだ」

 広い眺望。都立公園が真下に見えるせいで、とても開放感がある。

 「いいわね。うらやましいわ」

 「これからはいつでも泊まりたい時は言ってくれたら、予約する」

 「そんな……でもせっかくだから、そうね、何かあったらお願いしてもいい?」
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