叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 私は彼の腕の中で小さくうなずくしか出来なかった。

 すると、彼は鷹也さんの秘書に連絡してくれた。今は丁度レセプションの最中だ。

 私の手を握ると部屋を出て、そのままエレベーターでエントランスに出た。
 車が入り口に回ってきた。彼が私の荷物を持って車に乗せた。

 一緒に後部座席へ乗ると運転手に指示した。

 「……行ってくれ」

 「かしこまりました」

 運転手さんはいつもの人だ。

 「由花、大丈夫だ。落ち着け、俺がいる」

 震えている私の身体を右腕で背中から抱き寄せてくれた。私は彼の肩にもたれているしかできなかった。
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