叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
おばあちゃん、逝かないで、お願い……気付くとそんな言葉が口から出る。涙が出てきた。
玖生さんは嗚咽をこらえている私のことを抱き寄せて背中をさすってくれた。
病院へ着くと、彼に肩を支えられて受付へ行く。
玖生さんがすべて聞いてくれて、私は彼に手をひかれて行くだけだった。
おばあちゃんはすでに病室へ移っていて、ベッドに寝ていた。
主治医から話があり、狭心症かもしれないとのこと。検査も含めてしばらく入院して下さいと言われた。
手術が必要になるかはまだわからない。
私は命に別状がないとわかった段階で少し安心してぼーっとしてしまい、医師の説明が耳に入っていなかった。
玖生さんが私の代わりに話を聞いてくれていた。後で聞かされて、お礼を言った。
病室へ入り、おばあちゃんの隣に座った。玖生さんは連絡してくると言うと、病室を出て行った。しばらくして、ようやくおばあちゃんの意識が戻った。