叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
「……そうでしたか。ありがとうございました」
「とんでもない。ちょうど助けられて良かったです。彼女ひとりでは精神的にも大変だったでしょう」
「おばあちゃん。後のことはなにも心配しないでね。大丈夫だから、身体のことを一番に考えてね」
おばあちゃんは私を見て微笑んだ。
「ありがとう。由花も無理はしないでね。お稽古は私を理由にしばらくお休みしてもいいから……」
玖生さんが言った。
「織原さん。彼女の受付の仕事をしばらく休ませて家元の代わりをさせたいと思います。彼女のことは気にして見ていますので、ご安心ください」
私は驚いた。振り向いて、彼を見た。彼は私に微笑んでくれた。
「良かったわ。玖生さんがいてくれて……どうかよろしくお願いいたします」