叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 「ええ、お任せ下さい。由花もいいね?」

 「……はい」

 主治医の先生の話から、手術が必要な場合はしばらく入院になりそうだと言われた。
 病院を出て、近くのレストランへふたりで入った。

 よく考えたら、朝食事を取ってから何も食べていなかった。
 すでに、日が暮れてきていた。

 食欲がなかったが、玖生さんから一緒に食べようと言われて私はリゾットを頼んだ。
 トマトとチーズの香りで少し食欲が出た。
 玖生さんは私が食べているのを見て、嬉しそうにしている。

 「玖生さん、ごめんね。昨日まで出張で疲れていたのに、一日中振り回してしまって……」

 彼はフォークとナイフでハンバーグを食べていたが、手を止めてこちらを見る。

 「何言っているんだ。今日一緒にいてつくづく良かった。神田とのこともそうだし……」
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