叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 「私は失恋したばかりです。それも、男性に裏切られたようなものです。私は今あまり男性を信じられないし、恋を出来るような状態ではありません」

 彼は驚いたんだろう。初めて私の顔をまともに見た。

 「そうだったのか。それなら、何故?」

 「あなたの話は聞いてました。大奥様は玖生さんを心配して私を友人にして、女性と少しでも打ち解けて欲しいんですよ」

 「それはわかっている。まあ、見合いは最近多くてね。すべて断っているが何度言ってもわかってもらえない」

 「何か理由があるんでしょ?私もそうですから……でも目を合わせないのは相手に失礼です」

 「目を合わせて笑顔を見せると皆何故か俺が相手を好きだと思うらしい。自信過剰なようだが、色々あったんだ。相手に気がないと思わせるには、目を合わせないのが一番効果的だった。そうすると大抵相手が呆れるのか断ってくる」
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