叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
「それは、あなたからそれ以外に感じることがあるからだと思います」
彼はまた驚いたんだろう。息を呑んだ。
「……何を?」
「あなたは、相手に社交辞令を言うほどへりくだる必要を感じていない。相手は真剣に聞いてもらえないと思えば、適当になります。何もそんな態度を取らなくても、お断りすることはできるはずです。それこそもったいない。お友達として話が合う人もいるかもしれないのに……」
彼は右手で顔を覆い、笑い出した。
「なかなか言うな。君、名前は……ごめん、生け花の宗家?」
名前も覚えてないのか。というより、女の人を紹介されると真面目に相手のこと見ても聞いてもいないのね。どうしようもない。
「教えません。知りたいなら自分から探してください。それに知らないでここへ来たこと自体、私的には友人としても失格です」