叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
玖生side
本当に驚いた。
紹介された若い娘からしっかり目を見て話せと叱られた。
祖母は俺が女性に興味を持とうとしないのを心配して紹介したんだろう。ただ、俺は祖母に何を言われようと結婚する気はなかった。
ただ、祖母は高校生の時に母を亡くしてからの俺を息子のように大切にしてくれていた。
祖母の頼みは断れない。とりあえず会うことにしただけだ。
お見合いの類いもここ最近増えてきた。断れない見合いはとりあえず会うだけ。釣書も見ないでとりあえず会っていた。そして相手は大抵どこかの令嬢。ちやほやされるのが普通なのだろう、俺の冷たい態度に相手は大抵断ってくる。
女性から俺に対して踏み込んで文句を言ってくる人などはっきりいって全くいなかった。ほとんどがその真逆。
自分の家柄や容姿が女性に好かれるというのは高校生ぐらいからわかっていたことだった。
笑顔で相手を褒めたりすると、大抵勘違いされた。
だからこそ、相手にそういう気持ちを持たせないためにも目を合わせず笑顔を見せないようにしていたのだ。