叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
祖母には緑茶、自分はコーヒーを入れてお盆に乗せると祖母のいる部屋へ運んで行った。
「おばあちゃん。入るわよ」
「開けるから、待って」
そういって、祖母が引き戸を開けてくれた。
祖母の和室は茶室にもなっている。
祖母くらいの人になると、実は茶道も玄人はだし。着付けや日本舞踊などもかなりの腕前。結局、和事に関することはほとんど出来るらしい。祖母が若い頃はそれが普通だったと事もなげに言うが、自分は無理だと思う。
「由花。話があるの」
コーヒーを飲みながら、ぼーっとしていた由花はじっと見つめている祖母の目を見て驚いた。いつもと違う目だった。
こういうときは何か重要な話だとわかっている由花は、コーヒーカップを置いて祖母の顔をしっかり見た。