叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
「彼女は俺が清家の御曹司と知りながら、俺を叱りつけてきました。俺自身を見ている証拠なんですよ。そういう女性はなかなかいない」
祖母はわかったという顔をした。そして、苦笑いを浮かべた。
「いいですけど、私はこれ以上何もしませんよ。あちらの家元もお前の態度に呆れていたようですし、うまくいくとは思えないですけれど……それでもいいのね?」
俺はニヤリと笑うと祖母を見た。
「ええ。もちろん」
「そう。なら、ひとつだけ伝えてちょうだい。清家の本社ビルの受付にひとり空きがあるでしょう?彼女を推薦しようと思っていたの。彼女今失業中なのよ。もちろん家元のお手伝いなどでお花を教えてはいるみたいだけど、前はホテルに勤めていてそこのお花も扱っていたとか……今はそのお仕事がなくなって、家元が心配されていたの。だからお前のことに関係なく紹介しようかと思っていたのよ。でも今日のことがあったから、どうしようかと迷っていたの」