叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
何故、玖生が急に婚約の話をしてきたのか、考えればやはり縁談を断るためだろうと想像できた。いくら付き合うと本人同士が約束したとはいえ、周りを納得させられないのだろう。
翌日、急に自宅へ電話がかかってきた。
「初めまして。私は杉原亜紀というものです。織原由花さんですか?」
「……あの。どちらの杉原さんでしょうか?一門の方ですか?」
「突然ごめんなさい。私は現在、清家玖生さんとの縁談が進んでいます。そう言えばおわかりになるかしら?」
玖生さんの縁談のお相手?大奥様のおっしゃっていたアメリカの取引先の方?
「大奥様から少しだけお聞きしておりますが、海外の取引先のお嬢さんとしか……」
「私、今日本へ来ているので会ってもらえません?少しお話ししたいんです」
断るのは難しそうだと直感した。