叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
祖母は携帯電話を貸してくれた。
祖母に言っていないことがある。実はその時彼女を慰めるつもりで自分の母親もまだ目を覚さない、君とおんなじだと伝えたのだ。
だから、寂しいのは君だけじゃないと慰めた。母はすでに昏睡状態で意識がなかったのだ。それから数日して息を引き取った。
彼女に言った慰めは、自分へ言い聞かせているに等しい言葉だった。
その時、なぜだか覚えていないが彼女とお互いの将来の夢について話した。
父のようにはなりたくない……そんなことも言ったかもしれない。
まだ彼女は小学生だったのに、いずれ両親の仕事である華道を大きくなったらやりたいと言っていた。
そして、お兄ちゃんも大きくなったらおうちのお仕事頑張ってねと言われたのだ。