叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 ある日、大奥様がおばあちゃんを訪ねてきた。

 最初はお茶をお出しして挨拶させて頂いたが、玖生さんとのことは何も聞かれなかった。おばあちゃんと話したいと言うことなので席を外した。

 この間、五十嵐さんに玖生さんが私と結婚前提でお付き合いしていると話してしまったせいで、あっという間にその話がお稽古で来る人達に広まっていた。

 お弟子さん達にもメールや電話で襲名披露の打ち合わせの際に色々聞かれて、どう対処したらよいか迷っていた。今日辺り玖生さんにメールして聞いてみようと思っていたところだった。

 おそらく大奥様の耳にも入っているはずで、ご迷惑おかけしていることをお詫びしてどうすべきか聞いてみるべきかもしれないと思った。

 おふたりで長い時間話されたあと、祖母に部屋へ呼ばれた。大奥様が私に言った。

 「由花さん。知っていると思うけど玖生と結婚前提でお付き合いしているという話が出回っています」
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