叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
「はいそうです。私にとって襲名は小さい頃からの夢でした。ただこのタイミングになってしまったのは予想外でした。今継がないと祖母に無理をさせてしまうと思います。大変申し訳ないのですが、襲名の方を先にさせて頂きたいのです」
頭を下げた。
「それはわかった。君は玖生の仕事をどのくらい知っている?」
「……ほとんど知りません」
「正直で結構だ。総帥の妻がする仕事については?」
大奥様を見ると、うなずいてくれた。
「それについてはリスト化して渡してあります」
「志津、決まってもいないのに見せてしまったのか?あれは社外秘だぞ。まだ嫁にすると決めたわけではない」
「ごめんなさいね。でも、彼女は自分の家元の仕事をしながらやっていくにはそういうすりあわせは大切よ。現家元である彼女のおばあさまにも頼んで両方の仕事を調整中よ。もちろん私が出来ることは私がしばらくやりますよ」