叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
「……確かに、そうだな」
「玖生のどんなところが好きですか?」
突然聞かれた。
「……そうですね。優しく、頼りがいがあるところ。反面少し子供みたいなところも彼の魅力です。花の仕事で彼の指示に従っていましたが、今までのどのオーナーよりも的確でお仕事もさぞ出来るんだろうと思いました。そういうところも尊敬しています」
「そうですか。ありがとう。息子をよく見てくれているんだね」
「いいえ」
「織原さん。おそらく息子が結婚したがらなかったのは私達夫婦を見ていたからだと思う。激務で妻の身体に気づけなかった私や私を思いやって自分のことを隠していた妻をあの子は歯がゆい思いで見ていたんだ。結婚しても妻を幸せにできないかもしれないと悟ったようでね」