叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
「いや、いいんだ。俺達を見てお前が学んでくれたのなら、俺が総帥を辞退した意味があった」
「康宏。お前……」
総帥はお父様をじっと見た。
「そうだな。お前が父親で本来なら玖生のことを最初に相談すべきだった。すまん」
「そうね、ごめんなさい、康宏」
「いいんですよ、僕もだからこんな手を使ってしまった。こちらこそすみません。さあ、玖生……」
「由花。ひとりで辛い思いをさせて済まなかった。それにしても、今日はとびきり綺麗だな。ここからだとよく見えなかったんだ。頼む、パソコンの前まで来てくれないか。会うのは本当に久しぶりだ」
私はお父様を見たら、どうぞとパソコンを指し示された。それで立ち上がり、そろそろと正面に移動した。
「由花……とても美しいよ。惚れ直した」