叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 「玖生さん、このお着物は玖生さんのお母様のものだそうです。大奥様からお借りしたの」

 「そうか。それで見たことあると思ったんだ。良く似合うよ。由花、この間話したとおり、正式に婚約しよう。いいね?」

 「はい」

 「よし、後は全部俺に任せろ」

 私は席に戻った。彼はおじいさまとおばあさまを見て話し出した。

 「由花と正式に婚約させて下さい。それで総帥になります。彼女が落ち着いたら結婚して清家の仕事もさせようかと思っています。もちろん結婚式もしますよ。一年以内には終えたいと思います」

 おばあさまは嬉しそうにうなずいてくれた。

 「玖生。杉原社長には話したのか?」
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