叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 お父様が言った。

 「社長にはお断りしたいとお伝えしましたが、亜紀さんとは会っていません。日本へ入れ違いで来ていたようでした。戻ったら話し合います」

 私は亜紀さんが会いに来たことは黙っていた。

 総帥は大きなため息をついた。

 「……よかろう。お前の人生だ。清家を守るという約束を違えなければよい」

 「ありがとう、おじいさま。期待に背くようなことはないと思います」

 総帥が私を見た。

 「由花さん。それでいいかな?正式に婚約だけは先にしてもらいたい」
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