叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 「……由花?え?由花だよな?」

 私がうなずくと、嬉しそうに破顔して駆け寄り、私の目の前に立つと上から下までじっと見て、両手を握った。

 「ああ、由花。最高に綺麗だよ。いつ来たんだ?」

 「皆さんと一緒にプライベートジェットで来たのよ」

 私をそっと抱き寄せた。

 「ああ、会いたかったよ由花……ああ、由花だ。夢みたいだ。本物だよな……」

 私は彼に腕を回して抱きしめた。

 「私も会いたかったわ。長い間ひとりでお疲れ様、玖生さん」

 腕を離して私の顔を上からじっと見ている。かがむと耳元で囁いた。
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