叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 「亜紀?彼女と会ったのか?」

 「先ほど亜紀さんから聞きました。日本で会ったようです。僕も由花から聞いていませんでした」

 社長は驚いた様子で亜紀を睨んだ。

 「お前、先週日本へ帰っていたのはそれが目的だったのか」

 「玖生さんには今までそういう噂もなかったのに、絶対騙されているんだと思ったのよ。失礼ながら、彼女の噂は聞いていたし、会って玖生さんを惑わせないように釘を刺しに行ったの」

 「亜紀、お前は……全く。そういうところが玖生君から選んでもらえない理由だな。由花さん、何か失礼なことを娘が言ったんですね。お詫び致します」

 社長が頭を下げた。

 「パパ!私そんなこと言ってない。玖生さんを諦める気はないと言ったけど……」
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