叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
由花が口を開こうとしたので、玖生が先に話した。
「先ほど、亜紀さんには僕の気持ちを伝えました。今まで誤解させることがあったなら謝ります。由花は初めて会ったときから僕の至らないところを指摘して、かたくなだった俺を変えてくれました。僕に直言出来る人は由花以外見当たらない。他の女性とは結婚を考えられないので、僕よりいい人を見つけて欲しい。亜紀さんなら美しく優秀だし、すぐに見つかりますよ」
「そうだったのか……」
「亜紀さん。私は玖生さんのお仕事についてほとんど知らないのは本当ですし、恥ずかしい事だと思っています。今後、こちらに来たときには亜紀さんを頼らせて頂いてもいいですか?色々ご指導下さい」
由花は亜紀に頭を下げた。
「……何なのよ!ずるいわ」
亜紀はきびすを返していなくなった。杉原社長はため息をついて、私達を見ると「お幸せに」と言い置いて、亜紀さんを追いかけていった。