叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
会場中の人達が驚きの声を上げた。大きな拍手が起きた。前に言っていた仕事を発表してくれたのね。
「皆様どうか若い彼女を支えてやって下さい。そして織原流のお仕事を分担していただき、彼女を私になるべく戻して頂けると嬉しいです」
どっと笑い声と歓声が上がった。恥ずかしくて顔も上げられない。玖生さんったらあとで怒らないと。余計なこと言わないで欲しい。
「由花さん、ごめんなさいね。玖生ったらもうすぐ結婚できそうだって毎日浮かれて最近饒舌なのよ。もう、本当にどうしようもないわね」
大奥様が隣にいらして、話しかけてくれた。筆頭弟子のひとりとして今日は参加されている。
「はあ……」
私が肩を落とすと、中田さんが来て声をかけてきた。
「ごめん、勝手にこんなの流して。昨日頼まれてさ。メールに添付して送ってきたんだよ。しっかし玖生変わったな。君のためなら何でもしそうだ」