叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
「次から次で身体が持たないかも……」
「そうね。だから、最初はお稽古などはしばらく私が見ますよ。家でやるだけだし、花はお手伝いさんに運んでもらうわ」
「……でもやれることはやります。家元になったのに最初から頼っていたら恥ずかしいわ」
「結婚式までは皆さん理解して下さるわ。それに師範の皆さんにお手伝いいただくつもりよ。由花はお待たせしていた分、清家のために全力を尽くしなさい」
「わかりました。よろしくお願いします」
翌週。
海外から戻ってきた玖生さんは成田空港へ迎えに来ていた私を見つけるなり、ぎゅうぎゅうと抱きしめた。
「ただいま、由花。あー、やっと帰ってきた」
「……く、苦しい、玖生さん」