叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
「お待たせ致しました」
「いや、林君。新しい受付の人いい感じだね。この会社、受付のグレードが高いよ」
私の方を見ながらお客様が言う。とりあえず、笑顔で頭を下げた。林さんはお客さんに答えた。
「ありがとうございます。受付の雰囲気は会社の顔ですもんね。そちらの会社だっていいじゃないですか」
「そうかな。まあここだけの話、うちの受付三人は皆売約済みなんだよ。林君がもし気に入った子いたとしても、もうだめだよ」
笑いながらふたりで歩いて行く。隣の須藤さんが呆れたように言う。
「よく言うわよね。こっちにだって選ぶ権利があるのにね。私達って、狩りの獲物みたいに言われるのよ。腹立つったらない」
「そうですね。こっちこそ、営業さんたちのランク付けでもしましょうか」