叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 「だめだめ。玖生さんの話は内緒がいいのよ。私もあそこやめたくないしね」

 「……すみません」

 彼に頭を下げると笑顔で手を振られた。

 「で?御曹司とはどういう知り合いなの?おばあさん同士がどうのこうの言ってたよね、最初……」

 「そうです。ここだけの話にしてくださいね……」

 「だから、貸し切りなんでしょうが……」

 「あ、そうでした。えっと、お見合いというか、紹介されたのが最初です」

 「やっぱりね。そうじゃないかと思った。お花の家元とかいうし、変だなと思ったんだ」

 「それで、お付き合い自体はお断りしてですね」

 「うん。初対面で冷たかったんでしょ、どうせ」
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