冷淡男子の上條君は全振り初カノにご執心
*
「予想はしてたけど、凄いね」
「うん。……行列が出来てる」
教室の入口に立つ藤宮君あてに、廊下から階段の辺りまで女子の列が出来てる。
それも、朝から休み時間の度に。
「あれ、お返しするのも大変そうじゃない?」
「お返し無しならってことみたいだよ?」
「へぇ~、腹黒なんだ」
何日か前に本人が言ってた。
お返し無しでよければ受け取るって。
それで、あの数って。
モテる男は大変だね。
上條君、見当たらないけど、どこ行ったんだろう?
教室内を見回しても姿が無くて、ほんの少しそわそわしてしまう。
すると。
「すげぇよな、上條も。男子トイレにまで追っかけて来てたよ、あの1年の子」
「あそこまでされたら、さすがに受け取るんじゃねぇの?」
え、何そのやり取り。
2年の教室がある階の男子トイレにまで来て渡す強者がいるの?
「まどか、今朝渡したの?上條に」
「……ううん、まだ渡してない」
「早く渡さないと、渡しそびれるよ?」
「……ん」
何となく予想はしてた。
彼が受け取るような素振りを見せなくても、しつこく渡そうとする子がいることくらい。
それでも、何となくだけど。
彼なら全拒否してくれるんじゃないかな?だなんて、淡い期待しちゃってたんだもん。
私の頭の中、相当お花畑になってるっぽい。
『絶対』だなんて、ありえないのに。
『それでも』だなんて、勝手に思い込んで。
どんだけ自分に自信があるのよ。
ただ単に、何度か『小森が好きだよ』って言われたくらいなのに。
そんな彼に、一度も気持ちを伝えたことなんてない。
彼が他の子を好きにならないなんて保証はないのに。
「予想はしてたけど、凄いね」
「うん。……行列が出来てる」
教室の入口に立つ藤宮君あてに、廊下から階段の辺りまで女子の列が出来てる。
それも、朝から休み時間の度に。
「あれ、お返しするのも大変そうじゃない?」
「お返し無しならってことみたいだよ?」
「へぇ~、腹黒なんだ」
何日か前に本人が言ってた。
お返し無しでよければ受け取るって。
それで、あの数って。
モテる男は大変だね。
上條君、見当たらないけど、どこ行ったんだろう?
教室内を見回しても姿が無くて、ほんの少しそわそわしてしまう。
すると。
「すげぇよな、上條も。男子トイレにまで追っかけて来てたよ、あの1年の子」
「あそこまでされたら、さすがに受け取るんじゃねぇの?」
え、何そのやり取り。
2年の教室がある階の男子トイレにまで来て渡す強者がいるの?
「まどか、今朝渡したの?上條に」
「……ううん、まだ渡してない」
「早く渡さないと、渡しそびれるよ?」
「……ん」
何となく予想はしてた。
彼が受け取るような素振りを見せなくても、しつこく渡そうとする子がいることくらい。
それでも、何となくだけど。
彼なら全拒否してくれるんじゃないかな?だなんて、淡い期待しちゃってたんだもん。
私の頭の中、相当お花畑になってるっぽい。
『絶対』だなんて、ありえないのに。
『それでも』だなんて、勝手に思い込んで。
どんだけ自分に自信があるのよ。
ただ単に、何度か『小森が好きだよ』って言われたくらいなのに。
そんな彼に、一度も気持ちを伝えたことなんてない。
彼が他の子を好きにならないなんて保証はないのに。