冷淡男子の上條君は全振り初カノにご執心
「それ、美味しそうだね」
「食べる?……美味しいよ?」
食べる?って、私のスプーンで?
それとも、上條君のスプーンで??
彼が口にしてるビーフカランガはおすすめメニューのもので、どんな味なのかちょっと気になる。
何て返答したらいいのか、戸惑っていると。
「ん」
「……っ」
目の前にスプーンで掬ったカランガが差し出された。
……いいのかな?これ、食べて。
口元まで運ばれたそれを受け入れるようにパクっと口に入れる。
「んっ!……美味しいっ!!」
「でしょ?」
「トマト味のシチューみたいな感じだね」
「ん」
想像していた味と違ってちょっと驚いてしまったけれど。
そのスプーンで再び掬って食べてる彼が視界に入る。
これって、……間接キスなんじゃ。
「ん、どした?」
「あ、いや、……何でもない。上條君もパスタ食べる?」
「いいの?」
「うん。ちょっと待ってね?」
フォークに絡めたパスタを彼の口元へ。
「さっきは何も考え無しにしたけど、これ結構ハズいな」
「っ……、うんっ」
上條君は照れながらパスタを食べた。
*
昼食後は残りのエリアをゆっくりと廻り、15時前に正門前のショップでお土産を見ることに。
「和香と朝陽君にはクッキーとかでいいかなぁ?」
「いいんじゃね?」
「この缶可愛いから、これにしようかな」
「じゃあ、朝陽にはこれにする」
「あ、それ、中がチョコなんだね!じゃあ、和香のもそれにする。クッキーよりチョコの方が好きだから」
「小森は?クッキーとチョコならどっちが好き?」
「へ?」