冷淡男子の上條君は全振り初カノにご執心

とある日の放課後、正門前。
和香と一緒に下校するまどかは、和香の推し活の話を聞きながら歩いていると、前方に見覚えのある人を発見。

「あれ、上條君と藤宮君だよね」
「……そうだね」
「うわぁ、あれって、上條君に告ってんじゃない?」

正門前で、他校の制服を着た女子力高めの女の子2人。
和香が言うように、告白してるっぽい。

俯き加減で頬を赤らめ、必死に思いを伝えようとしている女の子。
その子の隣りで応援するかのように手をぎゅっと握り、見守っているもう1人の女の子。
どちらもメイクばっちりで、男子ウケ良さそうな戦闘能力高めな女子だ。

「悪い」
「友達からでもダメですか?」
「無理」
「ごめんねぇ~、廉、恋愛に興味ないから」

フォローする藤宮君をよそに、駅方面へと歩き出す上條君。
涙目になる女子を気にも留めずに…。

あんな冷たい男の何がいいのだろう?
顔だけのような気がするけど。

「まどか、ごめんっ!急にオフ会入ったっ!」
「え?」
「ホント、ごめんっ!また後で連絡するっ」

受信したメールを見せ、拝むように両手をあわせる和香。
推し活仲間のオフ会に呼ばれたらしい。
最新情報を得るためにフットワークが軽いのが和香の凄いところ。

「いいよ、行っておいで」
「ありがと~っ、まどかLOVE~♪」
「ハイハイ」

バス停へと駆け出す和香に手を振って送り出し、駅へと向かう。

< 4 / 132 >

この作品をシェア

pagetop