冷淡男子の上條君は全振り初カノにご執心
＊

「続きまして、次の種目は先生vs生徒リレーです。毎年ハッスル先生の転倒が名物になりつつありますが、今年は一体どの先生が見せてくれるのでしょうか？！」

実行委員長のアナウンスで一気にどっと盛り上がる。
種目別で選手案内係を任せられているまどかは、本部席で出場選手の名前を読み上げる。

「……―…2年2組、上條 廉君、2年3組、瀬沼 光輝君…―…」

上條君の名前をアナウンスしただけで、キャーキャーと女子の歓声が沸き起こる。
無意識に彼の姿を探していた、その時。
かなり離れているのに、視線がバチっと合った。

「小森に手を振ってるぞ？」

手元の出場者名簿を読み上げながら、隣りに座る実行委員長の川名にギロっと睨みを利かす。
マイクで音声拾ったら困るじゃないっ！！

200ｍのトラックを1人1周ずつバトンを渡すリレー形式。
学年ごとに対決する形で、上條君はアンカーのようだ。
列の1番後ろに並び腰を下ろしている。

「位置に着いて、よーい……パンッ！」

スターターのピストル音が甲高く空に響く。
2年の第1走者は3組の瀬沼君。
サッカー部ということもあり、足が速い。
野球部部長の小池先生との差がどんどん開いてゆく。

第2走者は4組の岡田君。
半袖の袖をタンクトップみたいに捲り上げていて、自慢の筋肉ボティを見せつける。
柔道部主将というのもあって、発狂にた部員の声援が熱い。

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