冷淡男子の上條君は全振り初カノにご執心
*
試験3日前の放課後。
まどかの自宅で試験勉強している和香は、黙々と試験範囲を復習しているまどかをじーっと見つめている。
「ねぇ、まどか」
「……ん?」
「正直な話、上條のこと、どう思ってんの?」
いつからだっけ。
和香が上條君のことを呼び捨てになったのは。
……体育祭の後からだったかな?
見た目はもふ可愛い系の和香だけど、人生を達観してるというか。
同世代の子達の思考や行動を冷めた目で見ている。
上條君も冷めた性格なところがあるが、和香のとは種類が違うというか。
和香の場合、理想が高すぎるんだと思う。
「どうと言われてもよく分からないというか、今は考えないようにしてるというか」
「いつも言ってるけど、別に2番が悪いわけじゃないし、私からしたら2番でも凄いからね」
「……ん」
「高校生でいられる時間なんて、あっという間に過ぎてなくなるよ?」
「……ん」
「志望大学に合格するんだって、順番なんて関係ないからね?」
「……ん」
「何でいつになく、そんな必死なの」
和香には隠しきれないな。
「たぶん、……自信がないんだと思う」
「……何の?」
「彼の彼女になるというか、そういう立場になるというか。心構え的な?」
「う~ん、もしそうだとしても、勉強が関係あんの?」
「……無いんだけど、あるというか……」
モヤモヤしてる脳内のワードが、綺麗に整列してくれたら説明し易いのに。
「何ていうか、誰かを好きになったことないから、この感情が好きなのかも分かんないし。何でも完璧にこなす上條君の相手が私みたいなポンコツだと、彼のこと好きな子たちに申し訳ないというか」
「何それ」
試験3日前の放課後。
まどかの自宅で試験勉強している和香は、黙々と試験範囲を復習しているまどかをじーっと見つめている。
「ねぇ、まどか」
「……ん?」
「正直な話、上條のこと、どう思ってんの?」
いつからだっけ。
和香が上條君のことを呼び捨てになったのは。
……体育祭の後からだったかな?
見た目はもふ可愛い系の和香だけど、人生を達観してるというか。
同世代の子達の思考や行動を冷めた目で見ている。
上條君も冷めた性格なところがあるが、和香のとは種類が違うというか。
和香の場合、理想が高すぎるんだと思う。
「どうと言われてもよく分からないというか、今は考えないようにしてるというか」
「いつも言ってるけど、別に2番が悪いわけじゃないし、私からしたら2番でも凄いからね」
「……ん」
「高校生でいられる時間なんて、あっという間に過ぎてなくなるよ?」
「……ん」
「志望大学に合格するんだって、順番なんて関係ないからね?」
「……ん」
「何でいつになく、そんな必死なの」
和香には隠しきれないな。
「たぶん、……自信がないんだと思う」
「……何の?」
「彼の彼女になるというか、そういう立場になるというか。心構え的な?」
「う~ん、もしそうだとしても、勉強が関係あんの?」
「……無いんだけど、あるというか……」
モヤモヤしてる脳内のワードが、綺麗に整列してくれたら説明し易いのに。
「何ていうか、誰かを好きになったことないから、この感情が好きなのかも分かんないし。何でも完璧にこなす上條君の相手が私みたいなポンコツだと、彼のこと好きな子たちに申し訳ないというか」
「何それ」