冷淡男子の上條君は全振り初カノにご執心
*
冬休みまであと1週間を切った月曜日の放課後。
朝陽が気を回してくれて、小森と一緒に下校できることになった。
本当なら、自分で誘えばいいんだろうけど。
朝から声を掛けるタイミングを何度も図ってるのに、俺を避けてるのか、タイミングが合わない。
そもそも『距離をおきたい』と言われ、いつまでなのか分からず、声をかけていいのかすら分からない。
そんな俺に痺れを切らした朝陽が、小森をというより、長瀬を丸め込む作戦で落としたようなもの。
さすが、朝陽。
こういうことだけは尊敬する。
当たり前のように朝陽は長瀬に声を掛け、俺と小森の少し前を歩く。
これだけ絶妙なパスを2人から貰ってるのに、最初の言葉がかけづらい。
何故か、隣りを歩く小森の視線が刺々しい。
俺、何かしただろうか?
「冬休みはどこかに行くのか?」
「たぶん」
「クリスマスは?」
「母と出掛ける予定になってます」
「………」
何故だろう?
視線が全く合わない。
というより、真っすぐ前を向いたままで、俺の方に顔を向けることすらしてくれない。
体調でも悪いんだろうか?
「体調が悪いのか?」
「別に悪くないです」
「何か、悩み事でも?」
「特に悩み事もないですけど」
あっ、違和感の正体はこれだ。
俺に対して、何故か敬語になってる。
少し前の小森は、タメ口に近い感じでフランクに話しててくれたのに。
話さなかった間に、何かあったんだろうか?
視線が刺々しいんじゃなくて、態度そのものが爆弾みたいで気になって仕方ない。
駅に到着し、改札を抜ける時に朝陽に耳打ちする。
『家まで送って来る』
冬休みまであと1週間を切った月曜日の放課後。
朝陽が気を回してくれて、小森と一緒に下校できることになった。
本当なら、自分で誘えばいいんだろうけど。
朝から声を掛けるタイミングを何度も図ってるのに、俺を避けてるのか、タイミングが合わない。
そもそも『距離をおきたい』と言われ、いつまでなのか分からず、声をかけていいのかすら分からない。
そんな俺に痺れを切らした朝陽が、小森をというより、長瀬を丸め込む作戦で落としたようなもの。
さすが、朝陽。
こういうことだけは尊敬する。
当たり前のように朝陽は長瀬に声を掛け、俺と小森の少し前を歩く。
これだけ絶妙なパスを2人から貰ってるのに、最初の言葉がかけづらい。
何故か、隣りを歩く小森の視線が刺々しい。
俺、何かしただろうか?
「冬休みはどこかに行くのか?」
「たぶん」
「クリスマスは?」
「母と出掛ける予定になってます」
「………」
何故だろう?
視線が全く合わない。
というより、真っすぐ前を向いたままで、俺の方に顔を向けることすらしてくれない。
体調でも悪いんだろうか?
「体調が悪いのか?」
「別に悪くないです」
「何か、悩み事でも?」
「特に悩み事もないですけど」
あっ、違和感の正体はこれだ。
俺に対して、何故か敬語になってる。
少し前の小森は、タメ口に近い感じでフランクに話しててくれたのに。
話さなかった間に、何かあったんだろうか?
視線が刺々しいんじゃなくて、態度そのものが爆弾みたいで気になって仕方ない。
駅に到着し、改札を抜ける時に朝陽に耳打ちする。
『家まで送って来る』