冷淡男子の上條君は全振り初カノにご執心

24日、25日と那覇市で行われた某男性アイドルグループのライブコンサート。
そのアイドルグループと事務所スタッフや関係者で行われた打ち上げパーティーの様子が写し出された写メ。
事務所スタッフや母親と楽しそうに笑ってる小森がいた。
それと、人気急上昇中のそのアイドルグループのメンバーとのツーショット写真が。

「まどかちゃん、サンタさんの恰好、可愛いね♪」
「………何、この男」

小森の肩を抱き寄せて、めちゃくちゃ顔が近いんだけどっ!

「まぁまぁ、そんなかっかしないで。母親が一緒にいるんだから、おかしなことにはなってないでしょ」
「………いや、あの母親なら分かんねぇ」
「え?」

初対面の俺に『イチャイチャしたかったら、まどかのお部屋にど~ぞ~♪』と言った人だ。
一万歩譲って、俺のことを彼氏だと思ってたとしても、まず普通じゃ言わないセリフだ。

スマホの写メをガン見してると。

「あっ、そのアイドルグループ、明日福岡でライブがあるよ」
「っ……」

朝陽がスマホ検索したらしい。
ライブ情報が記されてる画面を見せて来た。

「きっとそのグループを担当してるんだろうね、まどかちゃんのお母さん」
「……だろうな」
「それじゃあ、しょうがないよ」

ポンと肩が叩かれた。
分かってるよ、そんなこと、言われなくたって。
だけど、気持ちはそう簡単には整理がつかねぇんだよ。

好きな女の子が、同世代のイケメンの男と親しいと知ってしまっただけで。

数分前までそわそわしてたのに、今はモヤモヤが止まんねぇ。
ってか、これなら見なかった方がよかったんじゃねぇか?

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