元カノからのプレゼント
『マジかよ。奥さんに怒られないといいな』

「そうならないように、相口から貰ったサプリメント飲んだところ」

葉一がソファに勢いよく座りながら言うと、友人が「相口ってお前の元カノだろ?」と怪訝そうに訊ねる。

「ああ。あいつ今、サプリメント関係の会社で働いてて、俺の住んでる県にある会社に異動になったんだと」

『えっ?相口と同じ短大だった奴から聞いたけど、あいつ今フリーターらしいぞ?』

「は?」

どういうことだ、そう葉一が訊ねようとした刹那、ドクンと心臓が大きな音を立てる。まるで心臓を何者かに握り潰されていくような痛みが走り、葉一はその場でのたうち回った。

「私を捨てたりするからよ」

葉一の薄れゆく意識の中、月の声が聞こえた気がした。









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