元カノからのプレゼント

「やっぱり葉ちゃんだ！会えて嬉しい！」

女性はそう言った後、頰を赤く染めて嬉しそうに笑う。その顔を見た刹那、葉一の中で思い出したくない記憶がブワリと蘇ってきた。ブワリと葉一の体に鳥肌が立ち、吐き気が込み上げてくる。

「お前……！」

女性の名前は相口月（あいぐちるな）。葉一の高校の時の同級生で、葉一に強烈なトラウマを受け付けた元カノである。



「好きです！付き合ってください！」

そう月から告白されたのは、高校一年生の夏休みに入る少し前だった。葉一が図書委員の仕事をしている時、同じ図書委員の彼女に告白されたのだ。

葉一と月は、同じクラスになったものの同じ図書委員会ということ以外、接点はほとんどなかった。そのため、突然告白をされた葉一は戸惑ってしまう。

「えっ？でも、俺たち同じ委員会ってこと以外何も知らないよね？」

葉一がそう言うと、「ならこれから知っていこうよ！お互いのこと！」と月は強く言う。彼女の頰は赤く染まり、真剣に告白してくれているのだとわかった。