元カノからのプレゼント
（どうしよう……。でもここで断ったら面倒なことになるしな……）

その頃、葉一の周りにいる友達はみんな誰かと付き合っていた。彼女がいない葉一はそのことを少し馬鹿にされることが時々あり、ある日言われたのだ。

『夏休みまでに葉一に彼女ができない方に賭けるわ！』

勝手に仲間内で賭け事が行われていた。他の友達は『可哀想だろ〜』と言いながらもできるかできないかを賭けていく。それに葉一は腹が立っていた。

（別に好きじゃないけど、とりあえず付き合いだしたらあいつらは黙るだろ）

そんな最低な考えが葉一の頭によぎる。そして、葉一は月に「付き合おうか」と言ったのだ。

葉一は月のことを好きじゃないまま付き合ったものの、友達に馬鹿にされることがなくなってから、月のことを少しずつ意識するようになっていった。

「葉ちゃん、これよかったら食べて」

付き合うようになってから、月は葉一に手作りのお弁当を作って持って来てくれるようになった。そのお弁当のおかずはどれもおいしく、忙しい朝の中用意されたものだというのに、綺麗に詰められている。
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