元カノからのプレゼント

「弁当、毎朝作るの大変じゃないのか？」

「いいの！葉ちゃんに食べてもらえるってだけで目が覚めちゃうんだ！」

月は好きな相手には尽くしたいタイプのようで、お弁当を作ったり、課題をやってくれたり、葉一の両親の帰りが遅い時は家に来て家事をしてくれることもあった。

「葉ちゃん、彼女にはどんな服を着ていてほしい？」

「う〜ん、ゴスロリとかかな？」

葉一がそう言えば、デートのたびに月はゴスロリを着て見せてくれた。葉一が「好き」と言った服装やメイクを月はデートのたびにしてくれる。

そんな月を葉一は少しずつ好きになり始めていたのだが、ある日から少しずつ月の様子がおかしくなっていく。

夏休みが明けて少し経った頃、葉一は友達に誘われて映画を観に行く約束をした。その約束をした後、月が話しかけてくる。

「ねえ葉ちゃん、今度の日曜日デートしない？遊園地の無料券二枚貰ったの！」

「あっ、ごめん。その日は先約入っちゃってるんだ」