元カノからのプレゼント

それから月のことが少しずつ葉一は怖くなり、これまで通り月を見れなくなった。月の豹変する頻度が増え、葉一の中で気持ちはどんどん冷めていく。

「私以外の女と話さないで！じゃなきゃ、私手首切るから！」

「何で夜電話できないの！？この前までできてたじゃん！浮気？浮気してるの？」

「バイトと私、どっちが大事なの？私はいつだって葉ちゃんが一番だよ？葉ちゃんは違うの？私のこと大事じゃないの？」

重い言葉をかけられるたびに、葉一はまるで見えない鎖で縛り付けられていくような感覚を覚えた。それと同時に、月と別れたいと強く思うようになった。

（でも、こういう重い女って「別れよう」って言っても絶対聞かないよな。物理的な距離が取れる卒業までの我慢だ！）

葉一はそう決意し、月の地雷をなるべく踏んでしまわないように気を付けた。そして大学は地元の短大を月は受験したものの、葉一は地元から新幹線の距離にある他県の大学を受験した。