〜私の推しと、バイト先の推し似の先輩〜
バイト中
だから、いや、うん。
まぁ、そうかなとは思ってたけど。
付き合ってるの分かってたけど。
やっぱり結婚発表を聞いてしまうと、気持ちがズーンと沈んでしまう。
おめでたいニュースなんだからこんな気持ちになることに申し訳ないとは思ってる。
でも、だめだ。
「はぁ〜」
今度は長いため息が出てしまった。
「依里紗ちゃんどーしたの? 元気ないねぇ?」
突然、誰かの声がした。
うわ、今1番聞きたくない声だ。
「なんですか。」
無視したい気持ちを堪えて、嫌々後ろを振り向く。