花束とメロディを君に。
♪変化♪
「あら、花理ちゃんおかえりなさい。」
「ただいまです。」
真琴さんは話しながら、部屋を片付けていく。
「お風呂入ってきて良いわよ。
明日ヴァイオリンのレッスンなんだっけ?」
「はい!お先に失礼します。」
花理は1度階段を上がり自分が借りている部屋へお風呂に入る準備をする。
お風呂セットを持って、下へ降りる時ちょうど
向かいの部屋から蓮くんが出てきた。
「あ、蓮くん」
「ん。」
お風呂上がりなのか、少しいつもの黒髪から雫がたれそうだ。
見慣れた制服ではなく、ゆるっとしたスウェットとズボンを履いていて新鮮な気がする。
花理は見てはいけないものを見ているような気がして、目を逸らした。
「どうした?」
一歩前に出て花理の顔を覗き込んだ。
蓮の頭の上にははてなマークがうかんでいる。
イケメンは心臓に悪いって、、
「なんでもないっ。私お風呂入ってくるね!」
その場から逃げらように下へ降りる時、
「定演来るんだってな。」
「え、なんで知ってるの?」
「天音が言ってた。花理が来るからよろしくって。」
ドキッ
天音が言ってたセリフをそのまま言ってくれただけだけど、自分の名前を呼んでもらえたような気がして
なんか、嬉しい。
「ちゃんと来いよ」
とだけ言って、また部屋へ入ってしまった。
あのクールな蓮くんが少しずつ心をひらいてくれてる!
今日1日のおかげで、近づくことができた気がした。